2023年10月26日

漆の基礎知識について

漆の基礎知識について

漆(うるし)は伝統工芸品に使われる原料の1つです。漆器に使用される漆には様々な特徴があり、他の工芸品とは一味違った雰囲気を出します。こちらでは漆の基礎知識についてご紹介致します。

漆液の特徴

漆液は、漆の木から分泌される乳白色の樹液を採取したもので、その粘り気のある樹液をろ過し、木の皮などを取り除いたものを生漆と呼びます。漆は天然のもので採取した国・産地、採取した年代・時期によって成分が異なります。これらの性質を把握し組み合わせることで、漆器に適した漆を作り出します。

また、漆は色合いも様々で、黒以外の色は透き漆をベースに顔料を混ぜていきます。透き漆とはあめ色がかった半透明な色のものです。
漆器でよく見られるのが、赤みがかった本朱やオレンジのような洗朱で、これらはどれも濃い目の色合いを出しています。漆は時間が経つと透けてきて発色がよくなる特徴があります。
他にも白漆といったものがあり、これはベースとなるあめ色に白を混ぜるため、真っ白にならずベージュのような色が出るのが特徴です。

漆は特殊な乾き方をする

水分を含んだ綿などを乾かす時は、水分が空気中に蒸発しますが、漆は空気中の水分を取り込んでから乾くというのが特徴です。
また、漆は湿度が高いほど乾いてしまい、一度乾くと溶けることがない強固な物質になるという性質があります。

この性質は、漆に含まれているウルシオールという成分が、空気中の酸素を取り入れることで酸化しているため、液体から固体へと変化することが関係しています。
漆を乾かす適度な湿度は約70%で、温度は約20~25℃がベストな環境です。

その他の性質

漆が持つ性質は他にもたくさんあります。その性質の1つが接着力に優れていることです。古くから接着材として使われていて、現在でも接着力の大きさを活かして装飾を施すことができます。また、何度も塗り重ねすることで、塗ったものを研出して漆器のつやを出すこともできますので、塗り重ねによって、より漆器の風合いを楽しむことができるのも漆が持つ魅力です。

それに、漆は耐久性が良く伝統を受け継ぐ工芸品にはうってつけの素材です。中には数千年にわたって堅牢性を保った遺物もあるほどですから、如何に大切にされているかがお分かりいただけると思います。耐水性・耐熱性・耐薬品性と、すべてに強い特性を持っていますが紫外線に弱いです。
その他にも、漆が鉄分に反応することで黒く変色する性質を活かして、黒色を出すこともできます。

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